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肥満低換気症候群

下の図は、チャールズ・ディケンズの「ピックウィック・クラブ」という小説の中のジョー少年です。ジョー少年は太っており、いつもウトウトして大きなイビキをかいていると描かれていますが、このような体型で日中ウトウトして、高炭酸ガス血症、心不全を起こす患者をこの小説にちなんでピックウィック症候群と呼んでいました。今日ではピックウィック症候群が肥満低換気症候群と考えられています。では、肥満低換気症候群とは、どういう病気かというと、下記のような特徴があります。
 
1.BMI≧30
BMIとは肥満の指標です。【体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)】で計算し、BMI25以上を日本では肥満と診断しておりますが、この病気の場合、BMI30以上の高度肥満をきたしています。
2.低換気(CO2≧45=高炭酸ガス血症)
肺の病気がないにもかかわらず、血液中の二酸化炭素(CO2)が吐き出せず血中に高濃度(CO2≧45)に認められる状態です。
3.重症型の睡眠時無呼吸症候群(AHI≧30)
4.現在、日本においてこの病気は睡眠時無呼吸症候群の重症型と位置づけられておりますが、心不全や突然死などの心血管系の病気を起こしやすく、しっかり治療する事が大切です。
 上記3条件のほかに厚生労働省のさらに厳しい診断基準がありますが、当院でその条件を満たす74症例で調査したところ、90%に高血圧が認められ、19%に心不全、心筋梗塞などの心疾患、5.4%に脳血管障害を認めます。74人中5人死亡されるなど死亡率も高くなっております。
 治療は睡眠時無呼吸症候群と同様にCPAP(シーパップ)の治療と減量を行っていきます。